Webアプリ「前提共有整理」リリースしました
ご使用はこちらから!
はじめに
このたび、会話を始める前に「自分の中では当たり前になっているけれど、相手にはまだ共有していない前提」を整理するためのWebアプリ、「前提共有整理」v0.1 を公開しました。
話したいことは決まっている。
自分の中では、そこに至るまでにいろいろ考えている。
でも、いざ相手に話してみると、
「何の話?」
「いつの間にそこまで決まったの?」
「その話、初めて聞いたんだけど……」
となってしまう。
そんな「自分の中だけで思考が進みすぎて、相手への前提共有が抜けてしまう」状態を、会話の前に一度整理するための小さなツールです。
開発のきっかけ
きっかけは、私自身の家庭内でのコミュニケーションでした。
何かについて長く考えていると、その途中で考えたことや調べたことまで、なんとなく相手も知っているような感覚になってしまうことがあります。
ところが実際には、
「この話題について話したことはある」
「関連する出来事も相手は知っている」
「でも、その情報を材料にして自分がここまで考えていたことは伝えていない」
ということが起こります。
その状態で、自分の思考の“現在地”からいきなり話し始めると、相手から見れば途中のページが何枚も抜けた状態です。
そこで、話し始める前に一度、
「そもそも私は、何を前提にこの話をしようとしているんだろう?」
と確認するためのフォームがあればいいのでは、と考えました。
どんなアプリ?
「前提共有整理」は、会話の内容を4つの項目に分けて整理するシンプルなWebアプリです。
1. 話したいこと
まず、これから何について話そうとしているのかを書きます。
ここでは詳しく説明する必要はありません。
「今から持ち出そうとしている話題は何か」を確認するための項目です。
2. 前提
その話をするに至った背景や、これまでに起きたこと、自分が調べたことなどを書き出します。
そして、その前提を相手に
- 共有済み
- 一部共有済み
- 初出
のどれにあたるか確認します。
このアプリで最も重要なのが、この部分です。
前提を書き出してみることで、
「これは話した」
「これは話したつもりだったけど、実際には言っていないかも」
「ここから先は完全に自分の頭の中だけで進んでいた」
と気づくことを狙っています。
3. 私の考え
前提をもとに、自分が現在どのように考えているのかを書きます。
事実や共有済みの情報と、「それを受けて自分が考えたこと」を一度分けるための項目です。
4. 今回したいこと
最後に、この会話を通じて何をしたいのかを整理します。
何かを決めたいのか。
一緒に整理したいのか。
意見を聞きたいのか。
今後のやり方を考えたいのか。
ここまで書いてみると、「最初に話そうとしていたこと」と「本当に相手と話したかったこと」が少し違っていた、と気づくこともあります。
使い方
使い方はシンプルです。
- 4つの項目を入力する
- 前提がどこまで相手に共有されているか選ぶ
- 「整理する」を押す
- 整理された文章を確認する
生成された文章はコピーできます。
このアプリ自体が、入力された内容について「説明不足です」「この前提も必要です」と評価したり、会話の内容を添削したりすることはありません。
フォームを埋める過程そのものが、前提を見直すための仕組みです。
設計で意識したこと
今回、特に意識したのは「アプリ側が会話を評価しない」ことでした。
前提共有が足りているかどうかは、話題や相手との関係によって変わります。
そのため、アプリが
「この説明では不十分です」
「もっと詳しく説明しましょう」
と判定するのではなく、利用者自身が入力しながら、
「あれ、これは相手に話していたっけ?」
と立ち止まれることを重視しました。
また、日常的な会話の前に使うことを想定しているため、入力項目もできるだけ少なくしています。
高機能なコミュニケーション支援ツールというより、会話を始める直前に頭の中を一度机の上に広げるためのメモ用紙に近いものを目指しています。
実装について
v0.1は、HTML / CSS / JavaScriptのみで構成したシンプルなWebアプリです。
入力された内容から、
- 話したいこと
- 前提と共有状況
- 私の考え
- 今回したいこと
をまとめた文章をブラウザ上で生成します。
サーバーへのデータ送信やアカウント登録は必要ありません。
まずは「思いついたときに開いて、すぐ整理できる」ことを優先し、機能を絞った構成にしました。
今後やりたいこと
今回公開したものは v0.1 です。
まずは実際の会話の前に使いながら、
- 入力項目はこれで十分か
- 「前提」の整理方法はわかりやすいか
- 出力される文章は実際の会話に使いやすいか
- 入力の負担が大きくなっていないか
などを確認していきたいと思っています。
特にこのアプリは、「機能を増やせば便利になる」とは限らないものだと考えています。
考えるための補助線は引きつつ、アプリ側が考えすぎない。
そのバランスを探りながら調整していく予定です。
まとめ
「前提共有整理」は、話したいことを上手に説明するためのアプリではありません。
自分の中ではずっと考えていたことと、実際に相手へ共有したことは同じではない。
そのズレに、会話を始める前に自分で気づくためのツールです。
「ちゃんと説明したつもりなのに話が噛み合わない」
「自分では話の続きのつもりだったのに、相手には突然の話に聞こえていた」
「考えているうちに、どこまで相手に話したのかわからなくなる」
そんなとき、会話を始める前の整理用紙として使ってみてください。
コメント